MOMASのとびら これまでの報告
みる+つくる「うす暗い闇の中で感じた世界」
MOMASコレクションに展示中の、清水晃《漆黒から》を鑑賞しました。よく見ると釣針、はさみ、電球、チェーンなど、たくさんの素材が集まってできています。題名の通り「なぜ黒く塗ったのか」作家の故郷である富山の海岸の様子を想像し、黒い作品ができた理由を考えました。海のイメージは「水色ではなく黒いんじゃないかな」「砂や風もびょーっと吹いて近づくのが怖いくらい」、作家はそんな海を眺めてどんなことを感じていたのでしょう。作品の黒さが「カッコいい!」から「怖い」「痛そう」と変わって見えてきました。展示室から創作室に移動すると、今日は薄暗い部屋に変わり、木枯らしや雷の音が轟いていました。「もし、すごく寒い日で、こんな明るさで食事していたら」など想像を広げました。たくさん体験した後は、真っ黒に塗られた材料を使ってオブジェづくり。鑑賞した作品のように縦横に伸びていたり、四方八方にとげとげしていたり、釣り下がっていたり…みんな独創的、熱中していました★
◆たくさん魚がかかりそうな釣針がついてる!
◆「こわい?」「食事はこぼしそう。」
「でも、みんなでいると楽しいかも!」
◆吊り下げているのは何かな~
◆清水さんのように縦長なイメージでタワーになりました。
◆インスピレーションで作った清水さん風の大作!
「飛行機みたい」「宇宙ステーションみたい!」
◆スポットライトで黒い作品がきらり★素敵だね。
(参加者の声)
・しみずあきらさんのさくひんすごかったです(1年生女子)
・くろいさくひんなのでよるみたいでした。(1年生男子)
み~っけ!「びしょびしょアート」
今日の『み~っけ!』は、暑さを吹き飛ばすプログラムです!最初に、展示室で、丸山直文《puddle in the woods 6》とても爽やかな作品を見ました。「大きな絵に何が描いてあるのかな~?」「金魚、ヨット、帽子、恐竜の足と頭…」など、色々なモノが見つかりました!この絵は、森の中の水たまりをイメージして描いたり、水でつくる“にじみ”を活かしたりして制作をしています。今日のテーマは『水』。まずは、ビニール袋に入った水の中を覗いてみるとキラキラしてとってもキレイ★その感動を透明なシートに描きます「マジックですらすら描けて楽しい!」。続いて、白い紙に白いクレヨンで絵を描きます。「え?見えないよ~」2枚の絵が一体どうなるのでしょう…。最後の仕上げはベランダに移動。ここで何と白い絵にお水や色水をかけます!! 霧吹きや水鉄砲を使って全体を濡らすと2枚の絵が重なってとっても幻想的な作品になりました。「友達の絵も素敵だね♪」暑さも忘れ、うっとり見とれてしまいました★
◆じっくりみて親子でお話「みつけた!」
◆お水の中の世界を体験
◆片手だけでは足りず…。豪快に!
◆荒波に水しぶきかな~?
◆水鉄砲は大人気☆
◆まなざしはアーティスト!
◆淡い色、カラフルな線、白い線のコラボレーション。
(参加者の声)
・ぜんぶたのしかった、もっとやりたかった。(4才男子)
・えをかくのがたのしかった。さいごにおみずをしゅっしゅするのがたのしかった。(5才女子)
・大きなシートや紙に思いっきり描くことができて楽しかったです。最後に色水をかけることで変化して
いく様子が興味深かったです。(保護者)
・この町に住んで45年…初めて地下と3階に入りました。こんな素敵な場所だと知りませんでした!!活動も子どもにちょうどよく、美術館という格式ばった場所への入門にぴったりでした。(保護者)工房『なりきりシャガール~思いを込めて花束を~』
今日の工房では、埼玉大学の学生と一緒にMOMASコレクションで展示中のマルク・シャガール《二つの花束》を鑑賞しました。じっと作品をみていると、いろいろなものが見つかります。その中でも特に花束に注目して、色や形から感じられることをみんなで話し合いました。実はこの花束は、シャガールが奥さんと娘さんを花にたとえて描いたものです。鑑賞後、参加者も大切な人を思い浮かべ、グループで「その人のどんなところが好き?」「その人の好きな色は…」など話しました。そして、シャガールのように、自分の大切な人を花束に表現しました。「やさしい感じはお花紙や綿で作ろう」「明るい感じはポンポンにしようかな」「毛糸でリボンをつけておしゃれにしよう」などイメージを形にしていきます。幸せそうな顔の花束が並び、大切な人にも見せてあげたい作品ができました。
◆「この花束をみてどんな気持ちになるかな?」
「あたたかい感じがするなぁ。」
◆「色はどうしようかな。楽しそうな感じにしたいな。」
「花瓶にさすと家族みんな一緒の感じがするね!」
◆家族をイメージして作った花束。
みんな表情がすてきですね。
◆材料の色や組み合わせ方もよく考えて作りました。
◆最後は、鑑賞会です。
相手への思いのこもった作品、鑑賞会もあたたかい雰囲気でした。
(参加者の声)
・自分だけの花を作れてうれしかったです。(小3男子)
・お父さんやお母さんに似せて作るのが楽しかったです。(小4女子)
「あらって見よう!彫刻作品」
今日は、親子で彫刻を洗って楽しむプログラム「彫刻あらいぐま」です。普段は作品に触れませんが、優しく洗いながら近くでじっくりみると「こんなに汚れているんだ!前より色が変わってる!」「あの作品揺れるんだ~」など様々な発見がありました。彫刻を洗うボランティアの皆さんに、素材の話を聞いて触り心地を確かめたり、硬さの違いを発見したり、ピカピカになった彫刻が「嬉しそう!」と感じたり、目で見て鑑賞するのとは一味違う鑑賞体験になりました。洗う前に「どうして彫刻を洗うのかな~」とみんなで考えました。洗ってみると「彫刻をもっと大切にしたいな~また洗いたい!」と愛着がわく人がたくさんいました。洗う目的は、“綺麗な状態を長持ちさせること”ではありますが、そうしたみんなの気持ちが美術館スタッフにとっても一番嬉しいです☆みんなで末永く大切にしましょうね。
◆優しくスポンジで洗います。
◆デッキブラシも使って、みんな一生懸命☆
◆高いところは高圧洗浄機!
◆この彫刻好き! 2度目の参加のお友達もいます。
(参加者の声)
・ちょうこくをあらえて、自分の心もきもちよくなりました。(小3男子)
・とても楽しかったです。シャワーをかけるのをまたやりたい。(小1女子)
・普段さっと通りすぎてしまうものをじっくりみて、さわれて楽しかったです。(保護者)
・前回もボテロさんを洗い、今回も洗い親しみがわいてきました。変色がみられ長持ちすると
いいなあと思いました。(保護者)
もますまつり
こどもの日、近代美術館では『もますまつり』を開催し3つのフリープログラムを実施しました。会場には去年を上回るたくさんの皆さんが遊びに来てくれました。「レゴブロックであそぼう!」では、地元のレゴ作家・ブロック博士と一緒に鯉のぼりを作ったり、レゴブロックで自由に遊んだりしました。「洗濯ばさみで絵を描こう!」では、地下1階センターホールの床一面にカラフルな洗濯ばさみの絵ができました。「風を描こう!」では、公園にパネルを出して風を感じながら、そして風になったつもりで透けて見える風景に水性ペンで絵を描きこみました。体をいっぱい動かして表現するのは気持ちがいいですね。中には周りの人とつなげて作ったり描いたり、できたものを見せ合ったりしていたお友達も。『もますまつり』でアートの輪が広がり、楽しい一日となりました。
◆「何色がいいかな?」
「このブロックと組み合わせてみよう!」
◆「できたよ!オリジナル鯉のぼり!」
◆「次は何を作ろうかな♪」
ブロックの世界がどんどん広がっていきます。
◆「わぁ!すてきな模様だね!」
上の階から見ていた方々からも「きれい!」の声が上がりました。
◆「吹いている風の線を描いたよ。」
「絵が重なるのもおもしろいね!」
みる+つくる企画展物語『解体!?絵画の大変身』
開催中の企画展『モダンアートの再訪』の中からロスコ、フォンタナ等の作品4点を鑑賞しました。今日は「これって絵画?」をキーワードに展示室へ向かいました。第5章には、抽象的な作品、余白が切り取られたり、カンヴァスに切り込みが入っていたり、四角いカンヴァスにただ対象が描かれている絵画は見当たりません。「これらの作品はどうして生まれたのでしょうか?」じっくりと向き合います。ロスコの作品を見ていると、はじめはジャムを塗ったパンに見えていましたが、「白い半分はお弁当のごはん?いや、人じゃない!?」と見方が広がりました。「何だか気持ちが伝わってくるからこれは絵だよ!」また、隣のステラの作品は「組み立ててるから立体?」など十分にモダンアートを楽しみました。創作室戻り、大きなカンヴァスをみんなで解体!剥がした布で新しい作品を作りました。帽子、ロボット、動物、「絵って立体にもなるんだね。」子供のつぶやきに、絵でもない彫刻でもない新しい作品の可能性を感じました☆
◆赤紫色は何に見える?
「ジャム~!帽子?」
◆緑の奥に何か見えてるね!「後ろの絵をのぞく!」
「これは絵じゃない!立体だ」
◆みんなもフォンタナのように切り込みます。
「木枠がみえてきた」
◆穴あけパンチやホチキス、針金で作ります。
◆これは絵が起き上がって犬に!
◆ヴィアラの木枠や額縁を排除したカーテンのような作品にような
刺激をうけて制作!
<参加者の声>
・キャンバスがいろんなものにへんしんしておもしろかった。(小3女子)
・チョキチョキ切ったりするのが楽しかった。(小2男子)
「アート★ビンゴ」
もう夏が始まったかのように太陽が輝く中、今日はたくさんの方に「アート★ビンゴ」にご参加いただきました。「アート★ビンゴ」は館内の作品や美術館に関わるクイズに答えて楽しむプログラムです。今回は、西野康造《風の中で》を見て「この楽器はどんな人がふいているのかな?」と想像したり、ジャコモ・マンズー《枢機卿》を見て「着替えるとしたら何色のマントにする?」と考えたり、館内にあるいろいろな椅子に座って、自分のお気に入りを探したりして楽しみました。フリー参加のプログラムでは参加者のスタンプカードを作ります。問題は毎回変わりますので、初めての方もリピーターの方もぜひ遊びに来てください。お待ちしております♪
◆「かっこよくしたいから青!」「レインボーみたいにしよう!」
◆「ふわふわで気持ちいい!」「みんなで座れるね!」
◆どんな名前がいいかな?「目がくりくり…くりちゃん!」
◆最後にスタッフとお話…どんなことを感じたかな?
『わくわく鑑賞ツアー』
みなさんの美術館デビューはいつだったでしょうか。『わくわく鑑賞ツアー』で初めて展示室に入った方が今日もたくさん!公園で元気に遊んでいたお友達や親子が参加してくれました。最初に見た瑛九《雲》は細かな点描の作品です。「何に見えるかな?」と聞くと、「くじら、恐竜、人の横顔、炎を囲んでキャンプファイヤー、蒸気機関車が煙をはいてる」などたくさんの感想がでてきて「あ、見える~」とみんなで楽しみました。その後、鹿間厚次郎《静の旋律No.31》、堀越陽子《太陽の歌》など彫刻作品を見たり、椅子に座ったりして、あっと言う間の30分でした。気軽に参加できる鑑賞ツアーに皆さんのご参加をお待ちしております。
◆点点々が集まると何に見える?
「お魚がいるよ! 眼があるよ!」
◆「穴の形はB?3?」四角も3っつ?
◆逆さまの「♪」に見えませんか?
どんなリズムの曲かな~?
◆《レッド&ブルー》が好き!滑り台みたい。
『洗濯ばさみで絵を描こう!』『レゴブロックで遊ぼう!』
4月で入学・進級された皆さんおめでとうございます!今年度の“MOMASのとびら”は2つのプログラムでスタートです。1つは、定番のカラフルな洗濯ばさみを並べて遊ぶ『洗濯ばさみで絵を描こう!』、2つめは、地元のレゴ作家:ブロック博士と一緒に『レゴブロックで遊ぼう!』。こちらは初めての実施です。創作室の半分を自由に遊べるスペースに、半分では小さなマグネットプレートの上に様々なブロックを想像力を働かせて自由につける創作スペースにしました。「魚だよ。トンボだよ。線路とお花畑」など、マッチ箱ほどの世界がステキに彩られていきました。次は5月5日にブロック博士が登場します!皆さんでぜひ遊びに来て下さいね。
◆作品の一部かな?
◆春を感じるな~
◆ブロックコレクション!
◆動物たちがお出かけ!
みる+つくる MOMASコレクション「みんなでつくる 石・竹・風のかたち」
北浦和公園の石積みのベンチ《風のかたち》のまわりに、日本庭園協会埼玉県支部の庭師9名の皆さんと竹を使った共同制作に挑戦しました。庭師の手にかかると、固い竹がしなやかに曲がる細い竹に変身します!最初は恐る恐るの様子な子供たちも、竹を次々と上手に割ることができました。それを使って「石のベンチから風が流れている様子をイメージしてみよう!」が今日のテーマです。1本1本を緩やかな半円になるよう地面に差し込みます。「もっと竹を短くして小さくしたら? 交差させてみよう!」アイデアを出し合いながら、みんなで“風”を表現しました。「石のベンチが草むらの中にいるヘビみたいだ!」「しゃがんでみるとすごい迫力があるよ!」展示室の外で自然を感じ、自然を表現する楽しいワークショップでした。
◆職人さんの技に感動!
◆みんなで力を合わせて竹を割るのに挑戦!
◆「どこに竹をさそうかな?」
◆「固い竹がこんなに曲がるなんてすごい!」
◆「ここから見ると、小人が住んでいそうだよ!」
◆職人さんとみんなの共同作業で、素敵な作品が出来ました!
<参加者の声>
・竹を丸くしただけなのに、素敵な作品ができてびっくりしました。(小1女子)
・初めて竹をさわって、つるつるでいい感触でした。(小4女子)