MOMASのとびら これまでの報告

美術館がとびだす!秋の特別プログラム「カクカクころころ90°」

9月から近代美術館が改修工事に入ったため、さいたま市岸町公民館をお借りしてMOMASの扉を行いました。図工が大好き♥な子供達25人と、アートが大スキ♥な大人達10人が集まりました。まず、ビデオで撮影した松本薫さんの作品《Cycle90°》を見て、何か気付いたら答えるゲームを行いました。実はこの作品、ゆっくりと形を変えながら動いているのです。
「あっ!」と気付いた時にはアハ体験で脳が活性化されました。次に、美術館で作ってきた模型を外で組み立てると、その大きさに驚きの声が上がりました。が、なんと次の瞬間に模型が倒壊!!! 実際に動くところが見られず残念・・・ 制作はストローを90°に曲げながら何本もつなげていき、スタートとゴールを決めてビーズを転がして遊びました。運動会のBGMをかけながら、みんなで競争して遊びました。


◆ショック! この模型、あまりの重さに耐えられず途中で折れてしまいました。


◆競争が始まると子供も大人も真剣勝負!「あ、ビーズが何処か分からない・・・」

<参加者の声>
◆長い角角ころころ90°になったけど、上手に転がせたので楽しかったです。(小2男子)
◆家族の良いひとときになりました。(保護者男性)

サマー・アドベンチャー「自分だけの小屋をつくってみよう」

この夏 最後のサマー・アドベンチャー(第5弾)は、講師に彫刻家で埼玉大学教育学部准教授の石上城行氏を招き、旅するオブジェプロジェクト「自分だけの小屋をつくってみよう」を行いました。午前中の活動はなんと、粘土作りです。粘土の素を木槌でガンガン叩き割り、ふるいにかけてさらさらなパウダー状にしていきます。そこに水を少しずつ混ぜてこねこねしていくと あら不思議、やわらか粘土の完成です! 手にマメをつくった甲斐がありました。午後は自分だけの小屋作りです。1人20kgの粘土を与えられ、紐で同じ厚さに切ったり棒で伸ばしたりして板状にします。壁や屋根を どべ という粘土の接着剤でつけていきます。すると、子供たちの夢がいっぱい詰まった家ができました。実はこの後、埼玉大学で焼成され、完成した小屋が旅をしていきます。920日に北浦和商店街に展示され、小さな街をつくります! 是非、ご覧ください!!!

◆「まさか、粘土から作るとは・・・ でも楽しい!」驚きのワークショップです!


◆「なんだか美味しそうだね!」ケーキにも見えてくるから不思議!(石上先生)

<参加者の声>
◆粘土づくりからやれて楽しかったし、先生たちのアドバイスがうれしかったです。(小3女子)
◆とても自由に考えられました!(小6男子)

サマーアドベンチャー「座れる段ボールの椅子大集合!」

サマー・アドベンチャー第4弾は、講師にデザイナー・埼玉大学教育学部教授の高須賀昌志氏を招き、「第2回座れる段ボールの椅子グランプリ」受賞作品8点の鑑賞会を行いました。受賞した制作者が自分達の作品の制作意図や工夫したところなどをプレゼンテーションし、高須賀先生に講評をいただきました。プレゼンテーションを聞き、「この形にはこんな意味があったのか~」「こういう使い方ができるのか~」と、ただただ感心させられました。中には、食べ物の消化を良くする座り方ができる椅子や、コアラのように抱きつくことで癒される椅子もあり、楽しい笑い声が聞こえてくる温かな鑑賞会でした。


◆「タルトの生地に幼稚園の先生が座り、読み聞かせをします。園児はフルーツの椅子に座り、読み聞かせを聞きます。        リンゴは本を入れるラックになっています!」(中学校準グランプリ)「オォォ~」(観客)


◆「バンズに丸みがあるともっと良かったね!」受賞を逃した作品にも丁寧に講評をしてくださる高須賀先生

<参加者の声>
◆何回も試作してやっと完成した作品が受賞で来て、超うれしいです。(高2女子)
◆「子ども達が作った作品はとってもいいわね~。どの美術館よりも見応えがありますね!(一般鑑賞者)

サマー・アドベンチャー「住みつくってなに?」

サマー・アドベンチャー第3弾は、講師に建築家の青山恭之氏を招き、企画展「戦後日本住宅伝説」関連ワークショップ「住みつくってなに?」を行いました。建築展で展示されている16の住宅の中からお気に入りの住宅を選び、そこに寄生するこころみで親子で家を作りました。主な材料はスリット(切り込み)が入った1畳サイズの段ボール8枚と半畳サイズの段ボール15枚と大きな布です! このスリットを上手く組み合わせると、瞬く間に巨大な建造物ができ上がっていきました。中庭のある家や、部屋の中に橋がかかった家、リボンの形の家など、親子の夢が詰まった唯一無二の家々が建ち並びました。鑑賞会では部屋にライトを付けて、夜の街並みも楽しみました。


◆近代美術館の講堂が、あっという間に段ボールの街に大変身!


◆「お姉ちゃん、ここ押さえてて。」「あいよっ!」

<参加者の声>
◆カーテンの上にライトを付けたことで、光がぼやぼやっとなるようにしたら、きれいだった。(5年女子)
◆すごくステキな家が作れました。しばらく住みたいくらいです。息子のこだわり(天窓、カウンター、高い天井など)の実現した家です。(保護者)

サマー・アドベンチャー「洗濯バサミで絵を描こう!」

夏休み特別企画のワークショップ、サマー・アドベンチャーの第2弾は、洗濯バサミを使った自由参加のプログラム「洗濯バサミで絵を描こう!」です。近代美術館の地下1階センターコートに用意した20000個の洗濯バサミを好きなだけ使って、思い思いに遊びました。洗濯バサミを洗濯バサミで挟み、挟んで挟んで又挟むと、きれいな模様が描かれていきました。上手に組み合わせながら○○レンジャーや何十人ものヒーローを作る子や、立体的なサンゴや花畑、ドームなど、きれいな作品がたくさん出来上がっていきました。子ども達だけでなく、お父さんやお母さんも童心に帰り、夢中になって遊んでくれました。


◆「東京スカイツリーを中心にした大都会、東京を作るぞ!」


◆3時間後のセンターコートには、参加者約100名による作品がずらり! 3体の彫刻達も見入っています。

<参加者の声>
◆すごく面白かった。また来年も参加します。(4年男子)
◆ここまでたくさんの洗濯バサミを挟んだことはありません。子どもの様に楽しんでしまいました。(保護者)

サマー・アドベンチャー「オリジナルくんくんボトルをつくろう」

夏休み特別企画のワークショップ、サマー・アドベンチャーの第1弾は、匂いをテーマに活動されているアーティスト井上尚子先生をお招きし、「オリジナルくんくんボトルをつくろう」というプログラムを行いました。ケチャップを入れるディスペンサーを片手に北浦和公園を散策し、木の葉や草、セミの抜け殻など、お気に入りの匂いがするものをどんどんディスペンサーに入れていきます。そうすると、オリジナルくんくんボトルのでき上がり! 自分が作った匂いにタイトルを付けてレシピを書いたら、全員で嗅ぎ合いっこをしました。匂いの感想シールを貼って、大いに盛り上がりました! さらに、くんくんブックを引っ提げて館内の匂いを嗅ぎ回りました。イスの座面やロッカーの中の残り香などをくんくんして眠っていた嗅覚を目覚めさせました!


◆「くんくん・・・ 俺、この匂い結構好きだな!」



◆「匂いの素をDNAで表したの! すごいクール!」(井上t)

<参加者の声>
◆くんくんかいで いいにおいができるとは知らなかった。(2年男子)
◆いつも遊びに来る公園に、こんなにたくさん匂いを発しているものがあることに驚きました。(保護者)

アート★ビンゴ【きん】

夏休み初めてのビンゴは、子どもだけでなく、たくさんの大人の方も参加してくれました。橋本真之さんの彫刻《果実の中の木もれ陽》の中を覗き込んだり、地下1階から吹き抜けの天井を見上げて模様が何に見えるか喩えるなど、見ることに重点を置いた問題や、レストランの前で漂う匂いを嗅いで何の匂いか想像するユニークな問題に取り組みました。想像力を働かせながらの鑑賞は大人も子どもも楽しいようです。今回でスタンプを40個ためて、美術館博士が2名誕生しました。おめでとう!


◆「中にキノコみたいなものがある!」「私には星が見えたよ!」


◆「この門の先には、夢の世界が広がっているんだよ!」

企画展物語みる+つくる「つくろう★ぼくらのヒミツ基地!」

今回の企画展物語 みる+つくる では、原 広司さんの《原邸》と 石山修武さんの《幻庵》を見て 対話による鑑賞を行いました。本物そっくりにできた模型や大きな写真を見ながら自分の家と違うところを探すなどして、今や伝説となった建築を見て楽しみました。制作は6つのグループに分かれてヒミツ基地作りを行いました。机や椅子、布、段ボール、スズランテープなどをカラーガムテープでとめながら、どんどん作りました。段ボールカッターで♥型の窓を開けたり、スズランテープでカーテンを付けるなど、たくさんの工夫がいっぱい! 二階建ての基地や、屋根にペットのヘビがいる基地まで出来上がり、子ども達のアイディアに驚かされました。発表会の後も自分達の基地でノリノリで遊ぶ、元気いっぱいの子ども達でした。


◆「切り抜いたハートやクローバーも飾りになるね!」


◆「屋根の上にいるのがペットのヘビです。」発表も上手!

<参加者の声>
◆真中の柱をすごくがんばりました。ヒミツ基地を作るのが私の夢だったのですごく楽しかったです。(5年女子)
◆ヒミツ基地のドアを作るのが楽しかった。(4年男子)

MOMASコレクションみる+つくる「墨絵でお宝掛け軸をつくろう!」

今回のMOMASコレクションみる+つくるでは、小茂田 青樹さんの《春の夜》で、対話による鑑賞を行いました。「何が描かれているのかな~?」と質問すると、「花」「猫」「フクロウ」と、子ども達が描かれているものを見つけて答えてくれました。「この猫はいったい何をしているのかな?」と尋ねると、「子猫にあげるエサをくわえて巣に帰るところ!」などと、想像を膨らませて答えてくれました。制作はもちろん掛け軸です。3種類の濃さの墨を用いて、季節の絵を描きました。桜やアジサイや紅葉、カブトムシやバッタなど、季節を感じさせるモチーフを生き生きと表現していました。墨絵に合わせて表装した掛け軸をくるくると巻いて持ち帰る子ども達の顔は、満面の笑みでいっぱいでした。


◆「この猫はいったい何をくわえているのかな~?」「鰹節」「羽」


◆壁一面にずらりと掛けられた掛け軸。壮観です!

<参加者の声>
◆墨で絵を描いたのが楽しかった。(1年男子)
◆さくらの絵のところを描いたとき、楽しかった。(1年女子)

工房「まるまる穴だらけのランプシェード」

今回の工房では、橋本真之さんの作品《果実の中の木もれ陽》を鑑賞しました。鍛金で作られた作品は植物や生き物のようにも見え、生命感が伝わってきます。作品の表面には大小様々な穴が開いており、作品の内部に光が注ぎこみます。子ども達は作品の中を覗き、「星みた~い!」と呟いていました。この作品の特徴である丸みのある形と穴がいっぱい開いていることをもとに、「まるまる穴だらけのランプシェード」を作りました。美術館のポスターをお花みたいに切って、パンチや鳩目抜きを使ってたくさん穴を開け、セロテープで貼り合わせていくと、不思議な形が出来上がりました。最後に暗い部屋でランプを点けると、天井に満天の星空が浮かび上がりました。エンヤのBGMが流れる中、幻想的な一時を過ごしました。


◆初めて使う鳩目抜き。「便利な道具だな~。」


◆音楽に合わせてランプをゆっくり回転させながら、光の動きも楽しみました。

<参加者の声>
◆ポスターでできると思いませんでした。お花みたいに切って組み立てるだけなので、家でも作ってみたいです。電気を点けるときれいでした。(2年女子)
◆驚きの連続でした。1枚の紙がランプになるなんて思いもしませんでした。個性的な作品が完成し、作品の発表の時は感動的な空間になりましたね。楽しかったです。(一般女性)