沖縄からアメリカへ渡った両親のもとに生まれた内間安瑆(1921-2000、米国籍)は、1940年に来日し、早稲田大学で建築を学びました。第二次世界大戦後、恩地孝四郎らの創作版画に影響を受けた安瑆は、木版画での抽象表現を追究していきます。帰米後はニューヨークを拠点に制作を続け、1970年代後半、浮世絵の版画技法にもとづく「色面織り」の技法を確立。色鮮やかな〈Forest Byobu 森の屏風〉シリーズで評価を高めました。
大連で育った内間俊子(1918-2000、旧姓・青原)は、1935年に神戸へと移住し、小磯良平に絵画を学びました。1950年代初頭に上京すると、瑛九が中心となり結成された前衛的なグループ「デモクラート美術家協会」に参加。この頃、久保貞次郎や瀧口修造を知り、抽象的な油彩画や木版画を制作するようになります。1959年に夫の安瑆とともにアメリカへ渡り、後年は詩情あふれるコラージュやアッサンブラージュを制作しました。
本展は、版画やコラージュを中心に、二人の独自性ある豊かな創作世界を振り返るものです。俊子については、初期から晩年までの軌跡を辿る初めての機会となります。戦後の激動の時代において、創作だけでなく、日米のアーティストや文化人のネットワーク形成にも尽力した両者の功績を再評価するとともに、イサム・ノグチや棟方志功など関連作家の作品と併せて紹介し、戦後美術の新たな一面に光をあてます。
会期
2026年10月10日(土) ~ 2027年1月17日(日)
※会期中、一部展示替えがあります。
前期:10月10日(土)~11月29日(日) 後期:12月1日(火)~1月17日(日)
休館日
月曜日(ただし、10月12日、11月9日、11月23日、1月11日は開館)、年末年始(12月29日~1月3日)
開館時間
10:00 ~ 17:30(展示室への入場は17:00まで)
観覧料
一般1400円(1120円)、大高生1120円(900円)
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下と障害者手帳等をご提示の方(付き添い1名を含む)は無料
※企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、あわせてMOMASコレクション(1階展示室)もご覧いただけます。
主催
埼玉県立近代美術館、東京新聞
協力
JR東日本、FM NACK5
出品作品
出品点数:約200点
出品リスト:準備中
見どころ
1. 内間安瑆・俊子の全体像に迫る初の大規模な二人展
戦後に日米で活動し、木版画、コラージュとそれぞれ独自の創作世界を展開した内間安瑆と内間俊子の全体像に迫る本展。安瑆については、2014年に沖縄県立博物館・美術館で開催された展覧会「色彩と風のシンフォニー/内間安瑆の世界」以来約12年ぶりの回顧展、俊子に関しては生前を通して初めての大規模な回顧展となります。代表作のみならず、初期の油彩画やドローイングといった貴重な作例、そして版木や書簡等の多彩な資料を交えながら、二人の活動の軌跡を辿ります。
2. 恩地孝四郎、棟方志功、イサム・ノグチら交流のあった作家の作品も紹介
本展では、安瑆・俊子と深い関わりのあった同時代の作家の作品も紹介します。安瑆に木版画の道を追究するきっかけをもたらした恩地孝四郎や棟方志功の版画作品のほか、家族ぐるみの交流があったイサム・ノグチの彫刻作品、デモクラート美術家協会時代に俊子が知り合った瑛九、泉茂らの作品など、二人が築いた美術家ネットワークの一端を窺い知れる内容です。
3. 豊富な資料を掲載した展覧会図録を刊行
出品作品の図版のほか、安瑆・俊子のご子息・内間安樹氏による回想録、戦後版画研究者の桑原規子氏による論考、略年譜や主要文献リストなどを収録した展覧会図録を刊行します。最新の研究成果に基づきながら構成し、一部英訳も収録した充実の一冊です。
関連事業
講演会
内容|内間安瑆・俊子夫妻と親交があり、安瑆に関する評論も執筆している批評家・岡﨑乾二郎氏に、安瑆の活動や作品を中心にお話しいただきます。
講師|岡﨑乾二郎(造形作家、批評家)
日時|1月9日(土) ※開催時間等の詳細は決定次第お知らせします。
場所|2階講堂
定員|80人(当日先着順)
参加費|無料
レクチャー「内間俊子とその時代」
内容|戦後にデモクラート美術家協会や女流版画会で活動した内間俊子。彼女の作家としての軌跡を振り返るとともに、同時代の女性作家たちの活動にも目を向け、登壇者それぞれが専門分野に応じたレクチャーを行います。
登壇者|桑原規子(本展学術協力者)、関直子(当館特任館長)、佐藤あゆか(当館学芸員)
日時|12月20日(日)15:00~16:30 ※開場は14:30
場所|2階講堂
定員|80人(当日先着順)
参加費|無料
ミュージアム・シアター「内間夫妻によせるピアノ演奏会」
内容|音楽を愛した安瑆・俊子夫妻に想いを馳せるピアノ演奏会を開催します。二人が愛聴した楽曲や同時代を生きた作曲家による楽曲を通して、彼らが生きた時代、そして二人の面影を感じていただければ幸いです。
出演|山本香紫(ピアニスト)
日時|11月1日(日)15:00~15:30
場所|地階センターホール
参加費|無料
曲目|バダジェフスカ「乙女の祈り」、J.ケージ「おもちゃのピアノのための組曲」ほか
※鑑賞の座席には限りがあるため、立ち見となる可能性があります。
ワークショップ「内間安瑆・俊子に学ぶ多版多色の木版画」
内容|安瑆と俊子が用いた木版画の技法に学びながら、美術作家・関優花氏と多色木版画を制作します。
講師|関優花(美術作家・版画家/版行動メンバー)
日時|11月29日(日)13:00~17:00
場所|3階創作室
対象年齢|高校生以上
定員|15人(事前申込制、応募者多数の場合は抽選)
参加費|600円
その他
・葉書サイズの版画を制作します。当日は、作品のイメージ図や、写真をご用意ください。
・参加費は当日、現金でご用意ください。
・汚れてもよい服装でご参加ください。
電子申請URL(準備中)|10月10日(土)より募集開始予定。
担当学芸員によるスライドレクチャー
日時|11月23日(月・祝)15:00~16:00 ※開場は14:30
場所|2階講堂
定員|80人(当日先着順)
参加費|無料
担当学芸員によるギャラリートーク
日時|10月18日(日)15:00~60分程度
12月13日(日)15:00~60分程度 ※手話通訳付き
場所|2階企画展示室
参加費|企画展観覧料
※12月13日は手話通訳付き(協働:NPO法人エイブル・アート・ジャパン)
スライド・トーク
ご希望のグループにスライドを使って本展覧会の見どころをご案内します(予約制)。
お問い合わせ、ご予約は教育・広報担当(TEL: 048-824-0110)まで。
図録
展覧会図録『内間安瑆・俊子展 色を織り、記憶を紡ぐ』(B5判変形、税込2,500円)を当館ミュージアム・ショップで販売いたします。