彫刻あらいぐま、またまたまたまたまた参上!!!!!

埼玉県立近代美術館

リポーター : M.N.

 2011年であらいぐまワークショップは6回目を迎え、3組8名の親子の皆さんに参加していただきました。

 前日の強い雨が朝方まで残り、開催が心配されていた彫刻あらいぐまの日。重い雲は午前中にどこかへ消えてなくなり、午後にはすっかり晴れて洗浄日和となりました。

 洗浄方法についてまずは講座室にてスタッフから説明をしました。その後美術館から外に出たところで、洗浄にとりかかる前に公園内の野外クルーズに出ました。 

野外クルーズ
 参加者の皆さん全員で彫刻に親しみを持っていただけるようなクイズをしながら園内を回りました。フェルナンド・ボテロの《横たわる人物》ではその人物の髪型をあてるという問題。正面からだと意外に後ろまで気づかないですね。皆さんと後ろに回って答えを確かめました。山本信の《這うものたちの午後の眠り》にはたくさんのカラフルなタイルが使われています。いったい何色かな。答え合わせでは「あか、みどり、くろ、きいろ」とみんなで数えてみました。サトル・タカダの《子午線-1993》では彫刻の中に三角形がいくつ隠れているかなという問題。答えを聞くと「ええーっそんなに!?」。三角形はとても大事なのですね。最後は橋本真之の《果実の中の木もれ陽》。作品を遠くから見て、穴がいくつあるでしょうかという問題。答えは近寄ってみるとわかります。大きい穴もありますが、小さい穴がたくさん!ここから木もれ陽が射しこんだ時に中を覗くと、とても幻想的かもしれませんよ。
これから訪れる方もこのクイズに挑戦してみてはいかがでしょうか。

実際の洗浄(いよいよ本番)

《横たわる人物》フェルナンド・ボテロ
 参加者の皆さんにはワックス塗りと磨き上げをしていただきました。まるまると太った作風のブロンズ像をあらかじめスタッフが水と洗剤で洗浄しておきました。乾いた状態の像全体に、刷毛を使ってワックスを塗ります。ワックスはわりとすぐ乾くので、薄くむらなく塗るのにはある程度の塗るスピードも大切。皆さんも気を使って真剣に取り組まれていたようでした。そのあと布で全体をこすりますが、「磨き上げるのには結構力がいりますねぇ」の声があがりました。だんだんピカピカになってきて皆さん嬉しそうでした。

《果実の中の木もれ陽》橋本真之
 参加者の皆さんにはウォーターガンを使って洗浄をしていただきました。銅をハンマーで叩いて延ばしてかたちを整える鍛金という技法で造られ増殖・成長しているこの作品に、ウォーターガンで一人一人交代しながら水をかけました。水が強く噴き出すので初めはこわごわでしたが、皆さん上手く彫刻にあてることができました。そのあと洗剤とスポンジで汚れをおとします。くねくねとした彫刻を大人の方には上の方、子どもさんには下の手の届くところをまんべんなく洗っていただきました。皆さんは時々大きい穴から中を覗いたりしていました。最後にまた交代しながらウォーターガンで洗い流し終了です。

まとめ 
 講座室に戻り、皆さんに修了証、記念写真、おみやげにぶんぶんごまをプレゼントしました。人数は少なかったですが、その分よりフレンドリーに彫刻に触れていただけたかと思います。《横たわる人物》のワックスの磨き上げは仕上げをスタッフがしました。通りかかるおりには仕上がり具合もみていただければ幸いです。