「Talk & Wash プロジェクト」橋本真之作品洗浄

埼玉県立春日部高校
リポーター : S.K.

 彫刻ボランティアの初めての出張洗浄活動が出来ました。また、県立春日部高校の110周年記念事業のほんの一部にお役に立つ事が出来たかと思います。
出張洗浄の話は以前より出ていましたが今回のきっかけは今年1月、東京国立近代美術館でメンバーのひとりが彫刻家の橋本真之氏、春日部高校の先生に会ったことでした。春高の中庭にある橋本氏の作品《千年の感応》の手入れ(洗浄)について先生は橋本氏に相談されていたようです。

 2月度の定例会でメンバーより報告がありその後は担当の学芸の方より春日部高校の先生に連絡をとっていただき、5月の定例活動日には打ち合わせのため来ていただいて洗浄作業も見てもらい概略決定しました。また7月15日には橋本氏に来館願い少人数での打ち合わせと7月27日の定例会にてスケジュール等最終決定となりました。

 当日、9月27日(土)12:00参加ボランティアは東武野田線八木崎駅に集合し、春高内へ。洗浄作業用の道具を車で運んでいただいた学芸員のおふたり、そして橋本氏は既に作品の前に居られました。開会までにやや時間があり、新規に揃えた「あらいぐまのTシャツ」を着て洗浄作業の準備をゆっくりすることができました。ただ橋本氏は自分の車にキーを付けたままドアをロックするというハプニングでJAFを呼んだりしてゆっくりとはできませんでした。

 1:30視聴覚室にて開会、校長あいさつの後、参加者の紹介があり、肝心の春高生徒は美術部など20名程度が参加してくれてホッとしました。

 そして橋本氏のトーク、仕事内容を紹介するDVDを併用して作品についての説明などを約30分にわたりしていただ

いたあと中庭の作品前へ全員が移動、すぐに鍛金を判ってもらうため、金鎚で銅版を打ってゆっくり作業の実演、生徒の皆さんも少しずつ叩くことが出来ました。真剣な様子も見せてもらいました。

 2:40頃より後半の洗浄作業。メンバーより洗い方の説明のあと、作品を反転して中に溜まっていた水を排出し、高圧洗浄機にて全体を洗い洗剤・スポンジで汚れを落とし、仕上げには橋本先生ご提案のつばき油を布でのばし塗り上げて完成となりました。このほとんどの作業を春高生徒たちの手で行ってもらいました。作品はやや黒光りして立派に見えました。

 作業終了後の3:40頃食堂にて閉会式。春高同窓会長のあいさつ、春高美術部の感想を交えたあいさつのあと、私がボランティア代表として近代美術館の彫刻ボランティアについて、及び今回の催しの発端などについて話をしました。

 4:30現地解散となり学芸員の方には作業道具を車で近美に運んでいただきました。

皆様お疲れさまでした。ありがとうございました。