近年、現代美術シーンにおいて、欧米や日本に活動の拠点をおいて活躍する中国人作家たちが注目を浴びています。しかし、中国国内で現在展開されている美術の動向には意外と関心が向けられていないのが実状です。中国国内では日本の文化庁にあたる中国文化部と中国全土の美術家たちにより結成されている美術家協会が主催し、1949年の建国以来、５年に一度、全国規模の公募展「全国美術展」が開催されています。
この展覧会は、現代中国国内の美術の最新の動向を反映しているもので、建国50周年を迎えた昨年には第９回展が開催され、全国からの10万点もの応募の中から選考をかさね、最終会場である北京で受賞作500点が展示されました。本展では、この第９回展の受賞作品の中から油彩画、中国画、版画、年画、連環画の作品81点を選んで紹介いたします。
1979年の改革開放政策の採択により市場経済制度が導入された中国は、今や経済的にもめざましい発展を遂げ、急速な近代化が進んでいます。しかし一方では、こうした急激な社会環境の変化に伴う弊害や矛盾が生まれていることも事実のようです。
今回の出品作品はいずれも、現代中国の高い技術水準をしめすとともに、このような中国社会の現状を様々に反映しています。また、近年は西欧の造形思想や技法を積極的に取り入れ始め、美術表現自体も多様化の傾向をみせています。本展をとおして、躍進を続ける現代中国の社会と、それを映し出す現代中国の美術のエネルギッシュな息吹を感じとっていただけることでしょう。
会期
2000.7.4 [火] - 8.6 [日]
休館日
月曜日、7月21日（金）
観覧料
一般840円（730円）、大高生630円（520円）
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方（付き添い１名を含む）はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
主催
埼玉県立近代美術館、日中友好会館、中国美術家協会
後援
外務省、文化庁、中華人民共和国駐日本国大使館、NHK
