2012年7月

埼玉県立近代美術館のホームページがリニューアルしました。合わせて、「学校と美術館」のページもより扱いやすくしました。いかがでしょうか?ご意見等お寄せいただけたらと思います。さらに扱いやすい形を目指していきたいと思います。
さて、今回のリニューアルから、「学校と美術館」の最新情報を毎月UPしていきます。その時々の情報を日記風にお伝えします。美術館活用方法のヒントを実際の活用の様子などからつかんでいただければと考えています。ご注目ください!
第1回は、入間市立向原中学校の美術部の皆さんが美術館を活用した鑑賞学習をした様子と、所沢市立宮前小学校での5年生を対象とした授業協力の様子をお届けします。
7月7日(土)から企画展「ウルトラマン・アート!」が始まりました。初日から沢山の方が来場され、ウルトラマンを支えたアートの力を感じてくださっていました。そんな中、入間市立向原中学校の美術部の皆さんが訪れてくれました。まずはじめに常設展コレクションの鑑賞からスタート。肩慣らしにジョージ・シーガル《赤いシャツを着た三つの人体》を鑑賞しました。右上の写真は、3人でこの絵の人物を想像しながらポーズをしているところです。見えない姿をそこに描かれている情報を手掛かりに想像してみると・・・。いろいろなポーズが出てくるので不思議です。人によって視点や感じ方が違うのがわかります。合わせて、自分ひとりじゃ気付けなかった視点が見えたりするのも面白いですね。
そのあと、常設展示室へ。学校でアートカードを使った鑑賞を行っていた生徒さん達は、その中で見た実物作品に出会って大喜び!「ねぇ!これ見たよね。こんなに大きいんだね」と熱心に作品の前で友人と話しながら見ている姿が印象的でした。
「ウルトラマン・アート!」では、メトロン星人とちゃぶ台を挟んで記念写真を撮ったり、ウルトラマンの初期アイデアスケッチなどを熱心に見ていました。
今年の夏は30周年特別記念展を常設展示室で行います。ぜひ、部活動等でご利用ください。お電話お待ちしています。教育普及スタッフがご案内します。
つづいて、これまでに授業協力でお世話になった学校の中から、所沢市立宮前小学校5年生の皆さんの授業の様子をお伝えします。
この日は、パブロ・ピカソが描いた《静物》を鑑賞しました。この作品の鑑賞の場合、ちょっとした趣向を凝らします。
まずはパブロ・ピカソの紹介から。意外と知っているようで知らないピカソ。子ども達にいろいろなアーティストの顔写真の中からピカソを探してもらいます。すると、ピカソの写真を見て「絶対この人じゃないよ」となります。たくさんの子ども達が「この人がピカソだよ」と選ぶのはマチスの写真。そして、面白いのは、ピカソとマチスが親友だったということ。そんな話も紹介しながら次へ。沢山の絵の中からピカソの作品を選んでもらいます。これも結構意見が分かれるので面白い。若いころの作品や晩年の作品はピカソじゃないというんですね。そのあと少しづつ作品からピカソの人生を紐解いていきます。最後に行き着くのが、パブロ・ピカソが描いた《静物》。ここからどんな見方が飛び出すのかいつも楽しみです。
こうした授業協力のほか、複製画やアートカード、鑑賞プログラムなどの貸し出しも行っています。ぜひお電話ください。お待ちしています。


《赤いシャツを着た三つの人体》の前で


「この作品、しってるー!!」


メトロン星人と一緒に


授業の様子