戸谷成雄 彫刻

2023.2.25 [土] - 5.14 [日]

日本の現代美術を代表する彫刻家・戸谷成雄は愛知県立芸術大学で彫刻を専攻したのち、1970年代より本格的な活動を開始しました。彫刻というジャンルが批判や解体にさらされていく同時代の美術潮流のなかで、戸谷は彫刻の起源や古今東西の彫刻表現を探究し、彫刻とは何かを問い続けました。木材の表面をチェーンソーで彫り刻む「森」シリーズの発表を機に80年代から国内外で高く評価され、ヴェネチア・ビエンナーレ(1988年)をはじめ数多くの国際展に参加してきました。90年代より「《境界》から」、「ミニマルバロック」シリーズ、2000年代より「洞穴体」シリーズ、近年には「視線体」シリーズなど優れた作品を手がけ、精力的な活動を続けています。

本展では「森」シリーズなど代表作を含む約40点によって、半世紀にわたる実践を振り返ります。さらに「森」に至るまでの初期の模索にも焦点を当て、初公開となる卒業制作の人体彫刻や資料類をあわせて紹介し、戸谷成雄の創作の原点を検証します。

会期

2023年2月25日(土) ~ 5月14日(日)

休館日

月曜日(5月1日は開館)

開館時間

10:00 ~ 17:30 (展示室への入場は17:00まで)

観覧料

一般1200円(960円)、大高生960円(770円)

※( ) 内は20名以上の団体料金 
※中学生以下は無料
※障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料

※企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。

主催

埼玉県立近代美術館、戸谷成雄展実行委員会

協力

シュウゴアーツ、ケンジタキギャラリー

広報協力

JR東日本大宮支社、FM NACK5

出品作品

出品点数:約40点

出品リスト:準備中

作家プロフィール

戸谷成雄(とや・しげお)

1947年、長野県上水内郡小川村生まれ。1975年、愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。初個展「POMPEII‥79」(1974年)以降、同時代の美術潮流のなかで解体されていった「彫刻」というジャンルの再構築を試み、その根源的な成り立ちや構造を問う作品を発表する。1984年より制作をはじめた「森」シリーズによって高い評価を得る。主な個展に、「視線の森」(広島市現代美術館、1995年)、「戸谷成雄 森の襞の行方」(愛知県美術館、2003年)、「戸谷成雄 洞穴の記憶」(ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「戸谷成雄―現れる彫刻」(2016年、武蔵野美術大学 美術館・博物館)など。ヴェネチア・ビエンナーレ(1988年)、光州ビエンナーレ(2000年/アジア賞受賞)をはじめ多くの国際展に参加。2009年、紫綬褒章受章。武蔵野美術大学彫刻科名誉教授。

本展の見どころ

1 作家の活動拠点・埼玉県における初の美術館個展

戸谷成雄は1998年に埼玉県秩父郡にアトリエを構え、本県を拠点に制作を行ってきました。都道府県立の公立美術館としては約20年ぶりの個展となる本展は、作家の出身地である長野県と、制作拠点の埼玉県の県立美術館による共同開催となります。

2 日本を代表する彫刻家・戸谷成雄の代表作を網羅

本展では1974年の初個展で発表された《POMPEII‥79 Part1》の再制作のほか、「森」、「ミニマルバロック」「視線体」などの代表的なシリーズをまとめて紹介しています。学生時代の彫刻作品から近年の最新シリーズまで、約40点が展示されます。

3 埼玉会場だけで見られる初期の貴重な作品群

戸谷成雄は、愛知県立芸術大学で彫刻を専攻しました。埼玉会場では、卒業制作として発表された2点の人体彫刻《男Ⅰ 斜面の男》、《器Ⅲ》をまとめてご覧いただけます。さらに、1983年に戸谷が作品の一部を燃やしたパフォーマンスから派生した彫刻作品「地下の部屋」も、約40年ぶりに公開されます。

展覧会の構成

1 大学在学中から初個展「POMPEII‥79」まで

愛知県立芸術大学に進学した戸谷は、マイヨールに師事した彫刻家・山本豊市のもとで西洋近代彫刻の基礎を学びました。埼玉会場では、学生時代に制作された人体彫刻3点と、ドローイングを展示します。初個展で発表された《POMPEII‥79 Part1》は、西暦79年にイタリアの古代都市・ポンペイにあるベスビオ山で噴火が起きた際に市民の死体が火山灰のなかで気化し、十数世紀後の調査で、その空洞に注ぎ込まれた石膏によって人型が再び出現したエピソードに着想を得ています。本作は、その後の戸谷の制作を方向付けた重要な作品です。

2 代表作「森」シリーズに至るまでの模索

第2コーナーでは、1970年代末から1980年代前半までの作品変遷をたどります。代表作「森」「地霊」シリーズに至るまでの時期に制作された作品は、素材、形態ともに多岐にわたり、まさに模索期として位置付けることができます。本展では、彫刻そのものをコンセプチュアルに捉えなおそうとした初期作品「《彫る》から」「《構成》から」シリーズを展示します。
1983年、海岸沿いで過去作品の一部を燃やしたパフォーマンスによって、戸谷は再び大きな転換点を迎えました。埼玉会場では、パフォーマンスの映像記録とともに、戸谷が再びイメージを向き合うきっかけとなった「地下の部屋」シリーズを紹介します。

3 「ミニマルバロック」、最新シリーズ「視線体」まで

最後のコーナーでは、1990年代から現在までの実践を紹介します。戸谷成雄は2000年頃に「ミニマルバロック」という造語を生み出しました。造形的な要素を極限まで還元する「ミニマリズム」と、複雑で躍動感のある造形を特徴とする「バロック」という対照的な概念を同居させたこのコンセプトには、自己と他者、内部と外部、日本と西欧など異なる概念の相克を捉え、そこから表現を立ち上げようとする戸谷の姿勢が端的に表れています。「ミニマルバロック」シリーズの代表作や最新シリーズ「視線体」などの大型彫刻作品5点が展示されます。

関連イベント

担当学芸員の作品解説会

日時:2023年2月26日(日)14:00~15:00(開場は13:30)

場所:当館2階講堂

定員:60名(申込不要、先着順)

参加料:無料

対談 戸谷成雄(彫刻家)×建畠晢(当館館長)

日時:2023年3月12日(日) 14:00~15:30(開場は13:30)

場所:当館2階講堂

定員:60名(申込不要、先着順)

参加料:無料

スライドトークのご案内

ご希望のグループにスライドを使って展覧会の見どころをご案内します(予約制)。

お問い合わせ、ご予約は教育・広報担当(問い合わせ先:048-824-0110)まで。

報道関係者の方へ

戸谷成雄展プレスリリース20230118.pdf

 

 
《POMPEII‥79 Part1》1974/1987年 撮影:山本糾 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

《地下の部屋》1984年 撮影:山本糾 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

《森の象の窯の死》1989年 東京都現代美術館蔵 撮影:山本糾 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

《双影体Ⅱ》2001年 愛知県美術館蔵 撮影:武藤滋生 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

《洞穴体Ⅲ》2010年 撮影:武藤滋生 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

《洞穴体Ⅴ》2011年 撮影:山本糾 画像提供:武蔵野美術大学 美術館・図書館

《森Ⅸ》2008年 ベルナール・ビュフェ美術館蔵 撮影:山本糾 画像提供:武蔵野美術大学 美術館・図書館

《視線体ー連》2020年 撮影:怡土鉄夫 ©Shigeo Toya Courtesy of KENJI TAKI GALLERY