辰野登恵子 オン・ペーパーズ A Retrospective 1969-2012

2018.11.14 [水] - 2019.1.20 [日]  

 1950年に長野県岡谷市に生まれ、東京藝術大学に学んだ辰野登恵子は、1970年代にドット(点)やグリッド(格子)、ストライプなどの規則的なパターンを用いて、理知的で抑制された表現の版画を発表し、若くして注目を集めました。ほどなく制作の中心を油彩に移し、豊潤な色彩で有機的な形象を描く独自の抽象表現を追求、2014年に亡くなるまで、自らの絵画を深化させ続けました。 
 大型の油彩が高く評価された辰野ですが、この展覧会では版画やドローイングなど紙の上の表現に光を当て、辰野の画業を再検証します。初期のシルクスクリーンによるコンセプチュアルな版画に始まり、油彩の制作を本格的に開始したのちも、辰野はそれと並行してエッチングや木版、リトグラフなどさまざまな版種による版画の制作に取り組んでいます。油彩での試みを版画で追体験し、あるいは版での成果を油彩に反映させる制作によってもたらされた、油彩と版画の豊かな並行関係は特筆すべきことです。また、油絵具やパステルによる大型のドローイングは、単に油彩のためのエスキースにとどまらない、画家にとって重要な実験の場となっていたことも窺えます。 
 紙の仕事を傍らに、辰野登恵子の絵画をとらえなおすこと。これまでまとまった展観の機会が限られていた紙の仕事を中心に、油彩30点を含む約220点の作品で40年余りの軌跡を振り返るこの展覧会が、辰野の画業のクロノロジーに新たな視座を与えてくれるはずです。

会期

2018年11月14日 (水) ~ 2019年1月20日 (日)

休館日

月曜日(12月24日、1月14日は開館)、年末年始

開館時間

10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)

観覧料

一般1100円(880円)、大高生880円(710円)
※( ) 内は団体20名以上の料金。
※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。

主催

埼玉県立近代美術館、東京新聞

助成

芸術文化振興基金

協賛

株式会社 資生堂

協力

JR東日本大宮支社、FM NACK5

 

関連イベント

トークイベント「辰野登恵子と絵画の現在」終了しました。

辰野登恵子と親交のあった若手画家をゲストに迎え、お話を伺います。
ゲスト:千葉正也、髙木大地、松井えり菜    
日時:1月13日(日)15:00~16:30(開場は30分前)
場所:2階講堂
定員:70名(当日先着順)
費用:無料

担当学芸員によるギャラリートーク終了しました。

日時:12月15日(土)、1月19日(土)各日とも15時00分から30分程度
場所:2階展示室
費用:企画展観覧料が必要です。

 

ミュージアム・コンサート[整理券制]終了しました。

「音楽の力は国境を越えて」

出演者:植村理葉(ヴァイオリン)、佐藤彦大(ピアノ)
日時:12月16日(日)14:30~(開場は30分前、演奏時間は約60分)
場所:地階センターホール
定員:60席(当日11:00から1階受付で整理券を配布)

費用:無料

 

【スライドトーク】ご希望のグループにスライドを使って本展覧会の見どころをご案内します (予約制)

実施日:開館日の火・水・木・土曜日(その他曜日は応相談)  
お問い合わせ・ご予約は教育・広報担当 (電話048-824-0110) まで。

プレス関係者の方へ

辰野登恵子 プレスリリース.pdf

【English】English.pdf

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1.辰野登恵子《WORK 77-D-10》/1977年/シルクスクリーン、紙/個人蔵 Ⓒ辰野剛、平出利恵子/撮影:岡野圭

2.辰野登恵子《WORK 80-N-1》/1980年/シルクスクリーン、紙/個人蔵 Ⓒ辰野剛、平出利恵子/撮影:大谷一郎

3.辰野登恵子《WORK 81-D-30》/1981年/油彩・パステル・鉛筆、紙/個人蔵 Ⓒ辰野剛、平出利恵子/撮影:岡野圭