企画展 2F シュルレアリスム展 -謎をめぐる不思議な旅-

2007.2.21 [水] - 3.25 [日]

現実とはいったい何なのでしょうか。私たちが普段接している日常は、本当の現実といえるのでしょうか。現実と夢の境界は果たして存在するのでしょうか。
現実をめぐるこういった謎に正面から向き合った芸術運動が、シュルレアリスム(超現実主義)でした。第1次世界大戦など西洋の近代社会の歪みが露呈し始めた20世紀初頭、パリに集まった若い芸術家によって立ちあげられたこの運動は、1920年代以降、世界各地に拡がり、文学、美術、写真、映画など、広範囲の文化・芸術に深い影響を及ぼしました。
シュルレアリスムは詩人アンドレ・ブルトンをリーダーとして、多くの人物が関わり、多様な活動を展開しましたが、その根底には人間の心をいかに解放できるかという問いかけが常にあったといえるでしょう。そしてシュルレアリスムは、現実と非現実、意識と無意識、日常と夢、文明と未開など、近代的な理性によって分断されてしまった世界を再び統合し、私たちの精神の豊かな全体性を回復させることを試みていきました。シュルレアリスムに登場するイメージの世界は、一見、奇抜で不思議に見えるかも知れません。しかし、そういったところにこそ、日常や理性の束縛から心を解き放ち、新たな現実の地平を切り開こうとしたシュルレアリスム特有の考え方を読み取ることができるのです。
この展覧会は20世紀の革命的な芸術運動であったシュルレアリスムに焦点をあて、その代表的な西洋の美術家約30名をとりあげます。また、シュルレアリスムを分かりやすく紹介するため、「序章:ようこそシュルレアリスムの世界へ」、「第1章:意識を超えて」、「第2章:心の闇」、「第3章:夢の遠近法」、「第4章:無垢なるイメージを求めて」といった展示構成によって、その全体像を読み解いていきます。
「超現実(シュルレアル)」に希望を託しつつ、純粋な生を求めて様々な表現を試みたシュルレアリスム。その本質について改めて触れることは、今日、私たちが現実をより豊かなものにして、生き抜いていくための大切な手がかりを与えてくれるに違いありません。

会期

2007.2.21 [水] - 3.25 [日]

休館日

月曜日、臨時休館日:3月22日(木)

開館時間

10:00~17:30  (入場は閉館の30分前まで)

観覧料

一般900円(720円)、大高生720円(580円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。

主催

埼玉県立近代美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会

助成

花王株式会社、埼玉日産自動車株式会社

協力

JR東日本大宮支社