企画展 2F -柳宗悦の心と眼- 柳宗悦の民藝と巨匠たち展

2005.4.2 [土] - 5.22 [日]

今日では、京都や金沢をはじめ日本各地の伝統工芸の盛んな街に行くと、民芸店が必ずあって観光客で賑わっている、という光景をよく見かけます。民藝という言葉やイメージは広く一般に浸透していると言って良いでしょう。
もともと民藝とは“民衆的工芸”の略語で、名もない工人たちの手になる生活雑器や民具、実用的な手工芸品などに健康で素朴な美を見出そうとした柳宗悦(1889―1961)が考えた造語です。柳の提唱した民藝とは、実用性、無銘性、複数性、廉価性、労働性、地方性、分業性、伝統性、他力性を有したものでした。こうしたものこそが工芸のあるべき姿だとして、大正末から柳と彼に協力した工芸家たちによって、その発見・収集と保護の運動が展開されたのです。それまで省みられることのなかった日用雑器に新たな美と価値を見出したこの民藝運動は、日本の近代工芸の展開に重要な役割を果たしました。
しかし、今日では民藝風、民藝調などといった言葉も日常の中でよく使われているように、当初、柳たちが理想としたものとは大きくかけ離れたものも生まれています。そこで、この展覧会では、柳宗悦が展開した民藝運動の軌跡を、柳の眼と心が捉えたゆかりの作品でたどるとともに、柳の協力者として、また、賛同者として柳の理想を自らの制作に生かして活躍した近代工芸の巨匠たち7名の作品をあわせ、計約150点を展示し、今日的な視点から、柳と仲間たちが展開した民芸運動の意義を改めて探ってみようとするものです。なお、本展は昨年から今年にかけて全国14館を巡回して開催されていますが、東京での開催はなく、首都圏では当館が最も都心に近い開催館となります。また、昨年の開催とは展示作品も38点入れ替わっています。この機会に、是非、多くの方々にご覧いただきたいと思います。

会期

2005.4.2 [土] - 5.22 [日]

休館日

月曜日(ただし、5月2日(月)は臨時開館いたします。)、 祝日の翌日(5月6日(金))

開館時間

10:00~17:30  (入場は閉館の30分前まで)

観覧料

一般900円(720円)、大高生720円(560円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。

主催

埼玉県立近代美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会

監修

日本民藝館

企画協力

E.M.I. ネットワーク

協賛

花王株式会社

協力

JR東日本大宮支社

河井寛次郎《三色扁壺》

《李朝染付草花文瓢型瓶》(部分)

富本憲吉《色絵更紗紋飾壺》1937年

柳宗悦《点(タ)テヨ茶ヲ様ナキマデニ》 1932年頃