横尾龍彦 瞑想の彼方

2023.7.15 [土] - 9.24 [日]

横尾龍彦(1928-2015)は、日本とドイツを往来しながら活躍した画家です。1960年代後半、神話や聖書を題材とした幻想画を描き、澁澤龍彦や種村季弘ら著名人に認められました。1980年以降には、禅やルドルフ・シュタイナーの思想に影響を受け、瞑想によって湧き上がるイメージを、絵具の激しい飛沫やダイナミックな描線によって抽象的に表現するようになります。晩年は埼玉県内のアトリエを拠点に、制作やワークショップに尽力しました。本展では、約90点の作品で活動の全貌を紹介します。

会期

2023年7月15日(土) ~ 9月24日(日)

休館日

月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)

開館時間

10:00 ~ 17:30 (展示室への入場は17:00まで)

観覧料

一般1000円(800円)、大高生800円(640円)

※( ) 内は20名以上の団体料金 
※中学生以下は無料
※障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料

※企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。

主催

埼玉県立近代美術館

協賛

株式会社イトーキ

特別協力

公益財団法人日動美術財団

広報協力

JR東日本大宮支社、FM NACK5

出品作品

出品点数:約90点

出品リスト:「横尾龍彦 瞑想の彼方」出品リスト

本展の見どころ

1 初の回顧展

日本の美術館初の回顧展として北九州市立美術館、神奈川県立近代美術館と共同で開催します。画業初期の1960年から最晩年の2014年まで、年代毎に作品を展示し、これまで広く知られてこなかった作家の全貌を紹介します。

2 資料を多数出品

横尾は1970年代に井上光晴による新聞小説の挿絵や須永朝彦の書籍の装幀などを数多く手がけています。それらの資料のほか、各年代の写真資料やスケッチを多数ご紹介します。また、普段は一般に公開されていない聖母子像を1点出品します。

3 パフォーマンス風景を映像で紹介

2000年代に日本とドイツで行なわれたパフォーマンスの様子を一部ご紹介します。カンヴァスを床に置き、音楽が流れるなか、舞うように体を動かして制作する姿をご覧ください。また、パフォーマンスによって制作された作品もあわせて展示します。

展示構成

第1章 北九州からヨーロッパ、東京へ

1950年、東京美術学校を卒業した横尾は、北九州市の学校で美術教師を務めるかたわら日本板画院展、二科展、新制作協会展などへ出品を重ねます。本章では、1960年代の版画や油彩画を紹介します。

第2章 悪魔とエロスの幻想

横尾は1973年、初の画集『幻の宮』を刊行します。異国風の人物や神話的な動物の姿を緻密に描いた作品で国内各地にファンを獲得します。ここでは、『幻の宮』掲載作品などを展示します。

第3章 内なる青を見つめて

新たな作風を開拓しようと模索する横尾は、1970年代後半に抽象性の強い、青を基調とした作品を制作するようになります。下地の絵具を手で直接かき回して画面を作り、聖書の「黙示録」や広大な風景をテーマに制作しました。みずから「青の時代」と呼んだ1970年代から1980年代後半の作品をご紹介します。

第4章 東と西のはざまで

1980年、ドイツ人のコレクターのすすめで横尾はドイツに移住します。この地で横尾は、西洋とは全く異なる日本人としての精神を自覚し、徐々に日本回帰を志向し始めます。そして書を思わせる筆勢、禅画に由来する画題の作品を手掛けるようになります。本章では、1980年代末から1990年代末までの作品をご覧いただきます。

第5章 水が描く、風が描く、土が描く

横尾は1990年代末より自身の制作について「自分が描くのではない。風が描く、水が描く、土が描く」と言い表しています。そして、制作の様子をパフォーマンスとして公開しました。本展のしめくくりに、2000年代から、2014年の事実上の絶筆作品までをご紹介します。

関連イベント

担当学芸員によるギャラリートーク

日時:2023年7月15日(土)、8月6日(日)15:00より30分程度

場所:各日とも当館2階展示室

参加料:企画展観覧料が必要です。

特別対談 鎌田東二氏(京都大学名誉教授)×水沢勉氏(神奈川県立近代美術館館長)

日時:2023年9月10日(日) 15:00~16:30(開場は14:30)

場所:当館2階講堂

定員:60名(申込不要、先着順)

参加料:無料

スライドトークのご案内

ご希望のグループにスライドを使って展覧会の見どころをご案内します(予約制)。

お問い合わせ、ご予約は教育・広報担当(問い合わせ先:048-824-0110)まで。

報道関係者の方へ

横尾龍彦_プレスリリース.pdf

PRESS RELEASE Yokoo Tatsuhiko Beyond the Realm of Meditation.pdf


※展示室では、作品保護の観点から温湿度を24時間一定に保つ必要があります。夏季は外の気温より低く設定しており、寒く感じられる場合がございますので、上着やストールなどお持ちいただくことをお勧めいたします。ご不便をおかけしますが、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

 

 
《不死鳥》1967年、油彩・カンヴァス、個人蔵

《七つの燈台》1970年頃、ガッシュ・紙、福岡県立美術館蔵

《岸辺の沈黙》1985年頃、ガッシュ・紙、個人蔵(神奈川県立近代美術館寄託)

《黙示録 ゴグとマゴグ》1977年、油彩・カンヴァス、北九州市立美術館蔵

《朝焼け》1983年、油彩・カンヴァス、個人蔵

《円相》1992年、ミクストメディア・カンヴァス、個人蔵

《舞踏する混沌》1996年、ミクストメディア・カンヴァス、個人蔵

《アポカリプス》2001年、ミクストメディア・カンヴァス、神奈川県立近代美術館蔵

《青い風》2003年、ミクストメディア・カンヴァス、個人蔵