20世紀の社会に大きな影響を及ぼしたプラスチック。造形芸術の立場から見れば、この素材から感じられる軽さ、やわらかさ、透明感は、木や石などの自然素材にはない大きな魅力を持っています。こうしたイメージや物質的特性は、美術作品やすぐれたデザインを次々に実現させる原動力となってきました。現代に生きる私たちの身の回りにあふれているプラスチック製品は、今や人間の感性を形づくる大きな要因になっているとさえいえるでしょう。
しかし私たちの日常生活に深く浸透している反面、プラスチックが引き起こす環境汚染が社会問題になっています。プラスチックは、近代化や都市化のもつ根本的な矛盾を抱えた素材でもあるのです。
この展覧会では、プラスチックを用いた美術作品を中心に、発明の歴史、生活に密着したデザインなど、さまざまな視点からプラスチックをとらえます。人間に対する弊害と刺激の両面をあわせ持つこの素材について、広く考える機会となるでしょう。
会期
2000.10.7 [土] - 12.10 [日]
観覧料
一般570円(470円)、大高生470円(360円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので